退去立ち会いの注意点 当日までの準備と確認すること
退去の立ち会いは、部屋の傷や汚れについて、貸主(管理会社)と借主が一緒に確かめる場です。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(以下、ガイドライン)は、入居時と退去時に確認リストを作り、当事者が立ち会って十分に確認することが必要だとしています。流れにそって、準備と確認のポイントを並べます。
当日までに準備すること
契約書を読み直す。 解約の通知期限と、クリーニング費用などの「特約」があるか、その金額はいくらかを確かめます。特約の考え方は「退去時のクリーニング特約は払う?」で説明しています。
入居時の記録を探す。 入居時の確認リストや写真があれば、もとからあった傷を示せます。ガイドラインは、こうしたチェックリストが、のちにトラブルとなって訴訟などに発展した場合でも証拠資料になりうるとしています。
ふだんどおりの掃除をしておく。 ふだんの清掃や退去時の清掃をしていない部分は、その清掃費が借主の負担になりえます(ガイドライン別表2)。
自分でも写真を撮る。 家具を出したあとの床や壁、水回りを撮っておくと、立ち会いのときの話がかみ合いやすくなります。
立ち会いの当日に確かめること
- 貸主側と一緒に部屋を回り、傷や汚れの場所と程度を確かめる
- 指摘された箇所ごとに、原因が「ふつうに暮らしてできたもの・古くなったもの」なのか、「不注意やわざと」なのかを確かめる(払わなくていいものの例は「退去費用を払わなくていいもの一覧」)
- 指摘された箇所を写真に撮る
- その場で金額への同意を求められても、内訳が分からないうちは、明細を書面でもらってから確かめたいと伝えることができます
明細で見るところ
ガイドラインは、精算明細の様式の例(別表4)を示しています。そこには次の欄があります。
| 見るところ | 確かめる内容 |
|---|---|
| 対象の箇所 | どの部屋の、どの場所か |
| 修繕などの内容 | 張替え・補修・清掃など、何をするのか |
| 工事費用 | 単価と数量(面積など)の内訳 |
| 経過年数 | 壁紙などは、住んだ年数で負担が減る(壁紙の計算) |
| 負担の割合 | 貸主と借主がそれぞれいくら負担するか |
敷金の返還
民法第622条の2は、貸主が敷金を受け取っている場合、賃貸借が終わって部屋の返還を受けたときは、敷金から未払いの家賃など借主の債務の額を差し引いた残りを返さなければならない、と定めています。
話し合いで解決しないとき
- 消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口につながります。
- 60万円以下のお金の支払いを求める場合は、原則1回の審理で判断する「少額訴訟」という手続きがあります(ガイドライン第2章)。民事調停などの方法もあります。
届いた請求を目安と比べたいときは、請求をチェックを使えます。入力した金額は端末の中だけで計算し、送信しません。
この記事は一般的な情報で、個別の事情についての法律相談ではありません。実際の負担は契約内容や部屋の状態によって変わります。ガイドラインは一般的な基準を示したもので、法的な拘束力はありません。